少子化や高齢化、人口減少に歯止めがかかりません。当市においても、基幹産業である農業の後継者対策や、移住、定住、交流人口や関係人口増加、子育て支援の充実等様々な施策を講じていますが、そもそも人口減少を前提とした仕組みの再構築を図っていかなければなりません。現在、顕在化している地域課題は「症状」であり、この症状に対する対症療法ではその場しのぎは出来ても解決には至りません。これらの「原因」から解決していくには、実学現場主義の観点から当市の現状を正しく把握し、未来を見据えた政策の実行を重ねていかなければなりません。今後、SDGs(持続可能な開発目標)が示すように、全世界、全地域共通の目標で、市民一人ひとりが主役、そして誰一人取り残さない社会の実現を目指さなければならないと考えます。自らの地域(市町や地区)だけが活性化すれば良いのではなく、市町村や圏域(生活圏等)の垣根を越えた連携により、個別の部分最適から、全体最適までを両立する必要があり、ともに地域活性化を目指した先に、誰もがその人らしく暮らし続けられる地域社会「子たちが誇れる街づくり!」へと繋がっていくと確信しています。

地域コミュニティーの醸成

住民自治と協働によるまちづくり

 明治初期の開墾以来、先人たちが築いてきた「八街」は、明治、昭和の合併を経て現在の八街市となりました。我々の使命は「先代から受け継いだ「やちまた」さらに善い地域として、次代に引き継ぐ」ことにあります。近年の少子化と高齢化、核家族化の流れの中で、町内会や子ども会の活動も縮小、減少し地域コミュニティーの「繋がり」が希薄となくなってきています。地域で安心して暮らし続けることは、誰かと繋がっていること、繋がり続けることが大切です。地域で住む人たちみんなで支え合い、協働しながら「繋がり合える」街づくりを目指すことが重要です。と同時に、世代間交流の場や機会を積極的につくり出し「やちまた」の伝統・芸能・文化の伝承を含めた地域の再生も推進していく必要があります。
そこで、市民の各世代が交流でき、互いの意見を尊重しながら、ともにまちづくりを進めるためのプラットフォーム「やちまた若者サミット」に参加し、人とひととの繋がりから、地域活性化を図るNPO法人の設立や地域づくり活動拠点整備を全力で応援しています。
 また、「若者が集える駅前づくり」は、地域の活性化には欠かせません。駅を単なる移動のための「通過の場」から「集いたい場」へ、市民有志の実行委員会が主催する「ちばクラフトビアガーデン」は千産千消の地域活性を目指したイベントです。この継続開催を通じ八街駅前から県内各地との連携と活性を図っていきます。

産業振興

やちまたブランド発信 商・工・農・福連携

 基幹産業である農業では、落花生の生産・品質ともに「日本一」を誇っています。落花生の他にも生姜、人参、里芋、さつまいも、スイカなど全国的に品質、生産量ともに上位を占める農産物が沢山あります。落花生や農産物の生産・加工・販売を通じた6次産業化へ取り組み、商業・工業・農業・福祉等の産業間が連携できる場づくりやインバウンド、外国人観光客等への「おもてなし」をはじめとして、フードツーリズムによる観光パッケージを創り上げていくには近隣市町村との連携が不可欠です。
 また、地域の起業や創業の応援を通じて地域活性化を目指す「ちば起業家応援事業」の八街市での開催を4年連続で継続しています。これにより、業界や団体、市町村、圏域の垣根を越えた新たな繋がりから、更なる繋がりの連鎖と様々な広域での連携が生まれています。

福祉

福祉の最前線から考える 繋がる福祉

 高齢・障害がある人を取り巻く福祉施策は、目まぐるしい変化がおきています。八街市においても、少子化や高齢化、核家族化、在宅介護や医療、買物難民など様々な問題が見えてきました。介護や福祉サービスの充実は図られてきてはいるものの、まだまだ「つながる」という観点には乏しく「縦割り的」で連携が十分に取れた施策にはなっていません。
 また、福祉の社会的認知度の低さも生き辛さの要因になっています。人はこの世に生まれ、その生涯が終えるまで、社会や地域とのつながりが途絶えることはありません。その意味で、社会的弱者と言われる人たちが、一人ひとりかけがえのない人生を歩む主人公として、ともに支え合い、つながり合いながら生きていく地域社会を目指すことはとても大切なことです。積極的な福祉業界からの情報発信から、地域みんなで手を携えて、安心して暮らせる「繋がる福祉のある街」を目指します。

教育

シビックプライドの醸成 次代を担う人財育成

 持続可能な地域社会の現実は「次代を担う人財」の育成が不可欠です。特に中高生をはじめとした若者たちのシビックプライドの醸成には力を注いでいかなければならないと考えます。民間企業等との連携による子たちが社会の主体としてまちづくりに参画できる仕組みの構築から、生まれ育った地域に誇りを持ち、地域課題を自分事に捉え主体的に課題解決に向け行動できる人財の育成を進めます。その子たちの心豊かな成長には、「学業」だけでなく、一流の芸術・文化・スポーツなど「本物」に触れる機会が重要です。文化会館や公式野球場をはじめ、一生涯学べる施設整備を推進していきます。
 さらに、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催は、障害をはじめ生き辛さを感じている方への社会的障壁を考える絶好のチャンスと捉え、レガシーとして次代に繋いでいかなければなりません。

防災

今が備えるとき 自助・共助・公助

 豪雨や地震、異常気象による大規模な自然災害が毎年のように日本各地で起きています。東北から関東地方沖を震源とするM7~8クラスの大地震や、首都直下地震の発生も危惧されています。平成27年3月22日に発生した、長野県白馬村における地震では、地域コミュニティーにおける「共助」が被害を最小限にとどめ死亡者「0」の奇跡に繋がったことは記憶に新しく。平時の備えや「想定外」の教訓を活かし、大規模災害における障害・高齢・妊婦・乳幼児・旅行者・外国人などの災害弱者を支えるための福祉避難所における体制整備や、沿岸部をはじめとした周辺地域に向けた後方支援の中核的な役割を担う備えを国や県、近隣市町村との連携を図りながら構築します。

投票率UP

自分たちのまちは、自分たちで創る

 低下する投票率、過去の八街市議会議員選挙の投票率は、2007年は、49.38% 2011年は、47.04% 2015年は、43.71%低下の一途を辿っています。  2016年6月には18歳選挙権への法改正がありましたが、投票率は上がらない。これからを担う20代、30代を中心とした若い世代は、自分たちの生活と政治が、密接に繋がっている意識を高く持つ必要があります。八街に生まれ、育ち、暮らしていく、この街はみんなの街です。次代を担う子たちが伸びのび育ち、誰もが誇りを持てる街を創っていくのは、自分たちの街は自分たちで創るという「志」と「行動」の積み重ねです。一人ひとりが社会の主体として市政に参加し「やちまた」を魅力ある街に変えていきましょう。その、自分でできる最初の一歩は「投票」だと考えます。

財政再建

持続可能なまちづくり 100年後の未来のために

 2019年度の当初予算は、214億7000万円(前年度比3.6%減)この4年間を見ると少しずつ健全財政に近づいてきていますが、依然厳しい状況が続いています。この厳しい財政の中であっても「子たちが誇れる街づくり」を推進していかなければなりません。国から県、県から市への施策の流れに注視するとともに、民間活力を最大限活用する視点を持ち、それぞれと連携を図りながら持続可能なまちづくりを目指します。100年後の「子たちが誇れるやちまた」を創る種は「シビックプライドの醸成」や「人財育成」であり、その種を蒔き続けるのが、今を生きる私たちの役割であると考えます。